薬膳について

食事と健康

薬膳についてお話しする前に、みなさんは医食同源という言葉を聞いたことはありますか?

いしょくどうげん【医食同源】
食事は医療の根本であり、病気を治す薬と健康を増進する食事とは、本来根本は一緒であるから、日常の食生活に留意することが大切だとする東洋医学の考え方。

医食同源,学研 四字熟語辞典.[goo辞書]https://dictionary.goo.ne.jp/

ざっくり言うと「薬と食事は根本は一緒、食事を整えることが健康につながる」ということです。

薬膳とは

薬膳とは、東洋医学の中でも中国の伝統医学である「中医学」の考えに基づいた食事のことです。本来の薬膳は特定の症状に対する治療や予防のための食事療法のことです。特定の症状の改善に有効な食材や、その力を引き出す調理方法で料理をします。

例えばトマト。トマトの薬膳としての効果は体の熱を冷まし、水を補う性質があります。そのため、暑くてたくさん汗をかいてしまう夏に取り入れる食材にぴったりです。

薬膳は難しい?

「薬膳は食事療法」と聞くと難しく感じる人も多いと思います。でも、もっと簡単に考えていいんです。

「その日の体調に合わせた食材を取りいれよう」

ここからでOKです。特別な素材も必要ありません。スーパーでいつも買っている食材も立派な薬膳食材なのです。でも、体調に合わせた食材ってどう選べばいいのでしょうか?

ここで少しだけ基礎知識を取り入れと、よりよい食材選びができるようになります。

薬膳とお茶

当院では患者様に薬膳アドバイスもさせていただいています。加えて、施術後にはお身体の状態に合わせたお茶をお出ししています。

お茶も発祥は中国です。お茶は紀元前2700年頃に薬として発見されたと言われています。これが日本に伝わり、日本にもお茶の文化が広まりました。

お茶は日常生活にも取り入れやすいため、薬膳の一つとしてオススメしています。

薬膳の基礎知識

東洋医学の考えを理解すると薬膳の取り入れ方も、よりよく理解できるようになります。

◆ 陰陽論 ◆

食材にも陰陽があります。身体が陰に傾いているときは陽の食材、陽に傾いているときは陰の食材を取り入れ、身体の陰陽バランスを整えます。

陰の食材水分を多く含む、夏・暑い場所で育つトマト、なす、きゅうり、など
陽の食材乾燥、刺激が強い、冬・寒い場所で育つにんじん、カボチャ、たまねぎ、など

◆ 五味・五臓 ◆

食材の持つ五種類の機能「酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味([かんみ]塩からい味)」を五味といい、五臓の「肝・心・脾・肺・腎」に対応しています。

五味
五臓

例えば五臓の「肝」が弱っているときは、対応する「酸味」を持つ食材を取り入れます。逆に「肝」が働きすぎているときは、働きを抑える「辛味」を取り入れます。

◆ 五性 ◆

食材には身体を温めたり、冷したりする性質もあります。その性質を5つに分類するものが五性です。

  • 熱性 … 身体を強く温める性質
  • 温性 … 身体を温める性質
  • 平性 … どちらにも当てはまらない性質(温めたり、冷ましたりしない)
  • 涼性 … 身体を冷ます性質
  • 寒性 … 身体を強く冷ます性質
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