東洋医学について

東洋医学について

当院では伝統的な東洋医学の手法に基づいた治療を行っています。

近年では西洋医学の手法を取り入れた鍼治療も多いですが、当院の治療とどんな違いがあるのでしょうか?その違いをまとめたものが下の表です。

よく使われる手法期待される効果よく効く疾患即効性
東洋医学経絡治療自律神経や内蔵の働きを整える内蔵疾患や自律神経疾患
女性特有のお悩み(更年期障害 ・不妊症など)
体質改善が必要なため比較的時間がかかる
西洋医学電気鍼やトリガーポイント鍼消炎・鎮痛・鎮静作用肩凝りなど、痛みやコリの解消比較的即効性は高いが生活習慣によっては再発もしやすい
東洋医学と西洋医学の鍼治療の違い

西洋医学をベースとした鍼治療は比較的急性的な症状に効果が高く、当院のような東洋医学をベースとした鍼治療は比較的慢性的な症状の改善に効果的と言えます。

– 東洋医学とは –

そもそも東洋医学とはどういった医学なのでしょうか?

西洋医学は科学的・理論的に身体を分析し、症状の原因を取り除くことで改善を図ります。

一方で東洋医学は、人類の長年の経験から導きだされた東洋医学的な診察法によって、身体のバランスの崩れを見つけだします。そして身体のバランスを整えることで人間の自然治癒能力を高めて症状の改善を図ります。

また、1979年にはWHO(世界保健機構)によって鍼灸治療が適応する43疾患を発表しています。これは、国際機関によって鍼灸治療が医療として認められているということです。

– 西洋医学との違い –

西洋医学と東洋医学の違いを表わす言葉に次のような言葉があります。

「病気」をみるか、「病人」をみるか

西洋医学では病気を診ると言われ、科学的データに基づき原因を取り除きます。そのため西洋医学では原因がハッキリしている症状を治すのは得意ですが、原因がわからない(科学的データがない)症状を治すことは苦手です。

不調を訴えているのに「(身体に)異常はありません。とりあえず薬出しておきますね」という対応をされてしまったという声を聞くことがあります。これは「病気と特定するためのデータと一致するものがない」ということで、西洋医学では病気とみなしません。

一方で東洋医学では病人を診ると言われます。上記のような「病気とは言われないが症状が出ているような状態」を東洋医学では「未病」と言います。東洋医学ではこの「未病」も治療対象です。それは東洋医学が症状そのものでなく、身体のバランスの異常を探して改善することで自然治癒能力を高めることを目的とするからです。身体のバランスが整い自然治癒力が高まることで症状を改善していくことを目指します。

東洋医学の基本

当院の治療を受けるにあたって東洋医学の基本である3つのことを知っておくと、治療の考え方が理解しやすくなります。

◆ 陰陽論 ◆

「自然のあらゆる事象にみられる、二つの相反し、相補的で、相関する宇宙の作用を概括的に表現した用語。絶え間ない陰と陽の運動が世界のあらゆる変化を引き起こす」とWHOで定義されています。

陰と陽は対立したり、依存したり、助け合ったりする、離れられない二つの概念のことです。太極陰陽魚図が有名です。

これは身体の状態にも当てはまり、陰陽のバランスが整っていることが理想的です。

陰陽の例

◆ 五行論 ◆

自然界に存在する全てのものを、「木」「火」「土」「金」「水」の五要素に分類する思想。天地万物全てがこの五要素にあてはまり、お互いに助け合ったり(相生)、抑え合ったり(相克)していると考えます。

東洋医学ではこの5要素を五臓と対応づけ、その働きのバランスが保たれているかを診ていきます。

肝(かん)気の流れを調節
血を貯溜し、全身への血の流れを調節
心(しん)血液循環
こころの動きを調整
脾(ひ)食べ物を体の有益なエネルギーに変える
運動機能にも関係
肺(はい)呼吸を調整
気や水を全身に送る
腎(じん)泌尿器、生殖機能に関係
精(生命維持や肉体エネルギーの大元)を蓄える
五臓(※西洋医学でいう臓器とは異なる概念)

◆ 気血水(気血津液) ◆

東洋医学では人間の身体を構成する要素を「気・血・水」と考えます。

この3要素も互いに影響を与えるため、そのバランスを保つことが大切です。

人間の体を動かす根源となるエネルギーのこと。
気は陽に属します。
血管内を通って循環する赤い液体のこと。
血は陰に属します。
水(津液)体内にある、血以外の全ての正常な液体の総称。
水(津液)は陰に属します。
気血水(気血津液)と陰陽
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